大会名 World ParaDressage Championships(Hartpury UK)
大会期間 2007年7月18日~2007年7月22日
【日本選手団】
監 督 三木 則夫(明石乗馬協会)
通訳兼マネージャー 中嶋 千秋
選 手 GⅠa 鎮守 美奈(明石乗馬協会)
GⅢ 菊地 富蔵(米沢乗馬クラブ)
渋谷 豊 (HAS浜松乗馬クラブ)
馬 匹 サフラン(Saffron)11歳
ポール(Paul)10歳
セントジュリオッツデスティニー(SaintJuliotsDestiny)10歳
コーチ兼介護 三木薫 (明石乗馬協会) 渡部竜馬(HAS浜松乗馬クラブ)
グルーム 尾崎紘子(イギリス在住) 伝幸あんな(オーストラリア在住)
クラシィファイアー 前田 雅道(明石乗馬協会)
【スケジュール】
7月16日 午前 成田・関西空港組に分かれて出国
乗り継ぎのアムステルダムで合流後、イギリスヒースロー空港午後到着
組織委員会の迎えのワゴンで21:00競技会場到着、登録手続き
17日 各馬、調馬策で様子をみてから初騎乗。
18日 フリースタイルの音あわせと練習
夕方より開会式
各国監督と選手団が電動バギーカーで入場、役員挨拶後、アトラクションで音楽に合わせた空中ブランコアクロバット、ミニチュアホースとスパニッシュホースによる対照的なカドリール、最後にシャンパンとオードブルサービスがあり、大会スポンサーの三菱自動車現地駐在員夫 妻と海外で活躍中の総合馬術の大岩直人選手が激励のため訪問。日本チームと楽しく歓談。
19日 午前 チーム練習
午後 インスペクション
夕方 最終練習
20日 各グレードチームテスト
朝から1日中大雨、幸い日本チームの競技会場は屋内馬場だったため、大きな影響を受けずにすんだが、会場までの道が洪水のため閉鎖になったり、外の競技場では落雷の音などで反応した馬もあり、翌日のスケジュールに変更があった。
21日 各グレード個人テスト
前日の雨の影響で、屋外馬場が使用できなくなったために、すべての競技を屋内馬場に変更
22日 各グレードフリースタイル
閉会式
入賞者にはFEI会長 ハヤ王女によるメダルとリボン授与
ミニチュアースによるカドリールと騎馬警官のアトラクション

競技会場が大学のため、宿舎は2階建て学生寮。個室にトイレ、シャワー付きでプライバシー面では非常に良い宿泊施設でした。ただハード面ではやはり健常者向けの造りとなっており、シャワー室に手すりがない等、重度障害者には使いにくかったため、一部の選手には濡れてもよいイスを用意してもらいました。
練習用屋内馬場 大2面 小1面、新しくできた観覧用レストラン付き馬場、屋外競技馬場2面、屋外練習用馬場1面、調馬策馬場、草地、厩舎は1馬房4畳半ぐらいあり、馬にも人にも快適で、すべての施設が徒歩範囲内だったため、便利な会場でした。

4年前の世界選手権との大きな違いは、IPEC(世界パラリンピック馬術委員会)がFEI(世界馬術連盟)の傘下に入ったことです。そのためFEIから会長のハヤ王女をはじめ、役員が多数参加し、今大会では障害者の大会と健常者の大会が同日開催されました。私達はグランプリからセントジョージまで、レベルの高い競技をたくさん鑑賞する機会を得られ(一部洪水の影響で中止)、一方、健常者の選手は障害者の馬術レベルをつぶさに見ることができました。ちょうど私の大学時代の先輩、斎藤庫之丞選手がグランプリにエントリーされており、お互いに予測していなかった出会いに驚き、異国で日の丸をつけてがんばる姿に励まされました。そして総合馬術の大岩直人選手も、自身の忙しい競技スケジュールの合間を縫って、2度も応援に訪れてくださいました。そのほかにも、今回は残念ながらエントリーできませんでしたが、大会前のトレーニングキャンプに参加していた高田華羊(グレード2)選手、RDAジャパンの太田さん、金子さんを初めとする日本からの応援団も来られ、とても励まされました。

すばらしい馬を貸していただいたオーナーさんには、馬運車に泊り込みで応援していただき、またボランティアで駆けつけてくれたグルームさんたちは馬と選手が最高のパフォーマンスができる様、早朝から夜遅くまで努力を惜しまず、各自が役割を全うして、非常にチームワークのとれた最高の選手団であったと思います。

成績は別表のとおり、渋谷選手のみ北京パラリンピック出場資格の60%以上を獲得できました。アテネパラリンピックから自馬戦に変わり、当然のごとくそれまでの貸与馬戦とは競技のレベルが格段に上がりました。グレード1からグレード4までの障害の程度に分けられた種目でドレッサージ競技を争うのですが、どのグレードも非常にレベルが高く、当面日本チームとしてはどのグレードもアジア枠の1位、60%以上のスコアを狙うことになりました。鎮守さんはアテネパラリンピックの出場経験者ですが、馬サフラン号とのミスマッチングで今ひとつ実力が出せず、馬の頭形が安定せず、いつもの実力が発揮できなかったのは残念でした。菊地さんはシドニーパラリンピックの出場経験者ですが、リズム・歩様の良いポール号とコンビを組むには時間が短すぎました。そんな中で、浜松乗馬クラブの渋谷さんは競技3日間を通じて馬のセントジュリオッツデスティニー号と安定した演技を見せ、初日に60%をクリアしました。渋谷さんはコーチの渡部竜馬さんと日々のトレーニングでたくましさを身につけた結果、新しい馬への適応力がありました。グレード1からグレード4までの上位3位までの入賞者は健常者と戦っても遜色のない演技をする人たちばかりと言っても過言ではありません。欧米の多くの選手が自分の馬で参加する中、短期間の馬との調整だけで、3種類の経路練習をする事はかなりハードで、選手の実力が充分に出せたとはいえない結果ではありました。

日本の障害者乗馬の普及と技術向上のために、世界に選手を送り続けることは大切です。しかし、伍して戦おうとするとやはりそれなりの時間と資金と多方面にわたる組織的な支援が必要であると痛感しました。

鎮守選手は北京パラリンピック出場権をかけて、最終の10月のオーストラリア大会を目指しており、現時点では渋谷選手の北京パラリンピック出場確定の朗報が待たれるところです。

今大会参加にあたって、各方面から多くの方々にご支援いただきました。特に、日本馬術連盟の事務局の方たちには本当にいろんな面でご苦労をおかけしました。この紙面をお借りし、厚く御礼申し上げます。

文責 三木則夫

参加者成績 出場グレード 氏名 出場種目
グレード1a 鎮守美奈 チームテスト  50.82%・18位/19人中
(サフラン) チャンピオンシップ53.2%・18位/19人中
フリースタイル 51.77%・17位/18人中
グレード3 菊地富蔵 チームテスト  51%・29位/32人中
(ポール) チャンピオンシップ50.4%・29位/33人
フリースタイル 51.77%・29位/33人中
グレード3 渋谷豊 チームテスト  61.38%・19位/32人中
(セントジュリオッツデスティニー) チャンピオンシップ58.24%・24位/33人中
フリースタイル 64.106%・20位/33人中