クラシフィケーション

例えば下肢に障害がある人でも、両足に障害を持っている人と片足に障害を持っている人、あるいはモモから下を切断した人とカカトから先を切断した人では、ハンディキャップの度合いが違います。そのような人を一緒に競わせたのでは不平等です。そこで障害者が公式競技にのぞむ場合は、障害の種類や程度に応じて5つのクラスのいずれかに分けられます。
クラス分けすることをクラシフィケーション(classification)といい、クラスを認定する人をクラシファイアー(classifire)といいます。クラシファイアーは医師または理学療法士の資格を持っていることが前提で、さらに障害者馬術の講習課程を修了した人に限られます。
クラシファーは個々の選手と直接面談し、それぞれのケースがどのクラシフィケーション規定にあてはまるかを判定します。選手のエントリーできる種目(グレード)は、クラシフィケーションの結果に従って決まります。クラシフィケーションは練習の指針にもなります。コーチは「どのレベルまで指導(要求)することができるのか」という目安を知ることができます。健常者なら個々の資質や意思の問題です。しかし障害者の場合は、絶対やってはいけない行為、確実に身体機能を損なう行為があります。それを見極め、ある一定の目標レベルを定める必要があるわけです。
単に大会でのエントリー種目を知るためでなく、普段の練習を安全かつ適正に行うためにも、クラシフィケーションはきわめて重要です。
IPEC(国際パラリンピック馬術委員会)の定めるドレッサージ競技におけるクラシフィケーションの審査基準を以下で図解します。

クラス 障害の程度 技術レベル
グレード1 重度の障害者 常歩
グレード2 重度の障害者 常歩と速歩+常歩での斜め横歩
グレード3 やや重度の障害者 常歩と速歩+速歩での斜め横歩
グレード4 やや軽度の障害者 常歩・速歩・駈歩+速歩での二蹄跡運動
グレード5 軽度の障害者 常歩・速歩・駈歩+駈歩での二蹄跡運動